アトミックのルール

アトミックの世界へようこそ! アトミックのルールはリチェスのサイトでも説明されているが、このページについて知っているプレイヤーは少ないようだ。それに初心者のうちは、チェックに関するルールを明確に理解するのは難しいように見える。ここでは全ルールについて、それが何を意味しているのかを実例を交えながら説明している。

以下で示した手順をリチェス上で直接見て、実際に駒を動かしてみよう!

アトミックの目的

アトミックチェスでは、相手のキングをチェックメイトにするか、爆破して盤上から消せば勝ちになる。ただし爆破の場合、自分のキングが盤上に残っていなければならない。

テイク

アトミックが普通のチェスと大きく異なる点は、テイクの破壊力である。テイクが起きると:

  1. 取られたピースだけでなく、取った側のピースも亡くなる (そして盤上からなくなる)。
  2. そして、取られた駒を中心とした3マス×3マスの正方形をイメージしてほしい。この正方形の中にあるポーン以外のピースは全て亡くなる。

ここに示した例では、白の5手目に応じて、黒番が3つの異なるパターンのテイクを行っている。それぞれのパターンでどの駒が亡くなるのかを説明している。

ほとんどの対局は、相手からの脅威をかわしながらテイクで駒得することを中心にして進んでいく。相手キングを消滅させて勝利することもある! 実際のところ、相手キングを爆破する*やり方で対局が終わるというのはかなりよくあることだ。

このことは、お互いのキングはどの駒もテイクできないということも意味している。テイクしたときに自殺となってしまうからである。自分のキングで相手のキングを取ることすらもできない。

*補足: もっと正確に言うなら、”相手キングを爆破する”というよりは”相手キングに隣接した駒の一つをテイクし、爆発に巻き込む”である。しかし”キングを爆破する”の方がはるかに言いやすいので、このような言い方をしている。

例外:アンパッサンテイク

アンパッサンの場合、テイクで起きることの2ステップ目における爆心地は、テイクされたポーンのいた位置ではなく、テイクされたポーンが通過した位置(テイクしたポーンが動いた先)になる。

禁止手

アトミックの目的は、自分のキングを生かしたまま、相手のキングをチェックメイトにしたり爆破することである。したがって自分のキングの隣にある駒をテイクするといった、自分のキングが爆発に巻き込まれる着手は禁止されている。自分のキングがチェックされた状態のまま相手の手番になるような着手も禁止されている(訳注:チェックの放置や、相手の駒をテイクすることでチェックとなってしまう場合が該当する)。ただし相手キングを爆破する着手の場合は、このルールが適用されない。 2つ目がトリッキーであり、慣れるまでに少し時間がかかる。私は”キングの爆破 > チェック”として覚えるようにしている。

下に例を示す。黒番は9…Qxc7とすると、キングがチェックされた状態のまま白番を迎えるため、このような手は指せない。

一方下に示した例では、黒番は自分のキングにかけられたチェックを無視して4…Bxd2#と指すことができ、白のキングを爆破して勝利することができる。

キングの隣接

キングがどの駒もテイクできないので、キングで相手のキングをテイクすることもできない。だからアトミックでは、キング同士が隣同士になるのは全くおかしなことではない。さらに言えば、キング同士が隣り合っている限りはどちらのキングもチェックを免除される。というのも、どちらかのキングがテイクされる手は必ずテイクした側のキングを爆破する手になってしまうため、手出しできない状態となっている。このような性質のために、相手のキングに隣接しているが自分のキングに隣接していないピースを爆破することで勝てる、非常に興味深いエンドゲームがいくつか存在する。

キャッスリング

キャッスリングは普通のチェスと同じように機能する。チェックされている限りはキャッスリングできないし、キングの移動中のマスや移動先のマスが攻撃を受けているとキャッスリングはできない。しかし、相手キングに隣接しているマスであれば、自分のキングは攻撃を受けることなく安全に通過したり到達したりすることができる。つまり互いのキングが隣接している間はチェックが無効化されるのである。


駒を動かしながらルールを確認するために、下にアトミックの短い対局例を示した。

ここまでがアトミックのルールである。これでもう相手がチェックを無視したりとか、キングを自分のキングに隣接させてきたりしても驚くことはない。対局の準備は整った!

Last updated: 2017-08-19 11:14